『クローン・ウォーズ』シーズン2 あらすじと寸評:第12~22話(2 of 2)【アニメ】

アニメシリーズ
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【他シーズン】:劇場公開作品 シーズン1前半後半 シーズン2前半後半 シーズン3前半後半 シーズン4前半・後半

第12話:『デス・ウォッチの陰謀』

【冒頭テーマ】:「過去をおろそかにすれば未来は危うい」

【あらすじ】:共和国領内でクローン戦争に厳正中立を表明しているはずの惑星マンダロア出身者による破壊工作が行われた。かの地の政府の真意を探るべくジェダイ評議会はオビ=ワンを派遣し、統治者サティーン女公爵との接見を命じるのだが・・・。

【感想】:『マンダロリアン』シリーズで人気を爆発させた銀河の「サイヤ人」マンダロリアンたちが登場。彼らはかつてジェダイとも渡り合う戦闘民族として銀河を震撼させましたが、現支配者サティーン女公爵のもとで平和路線を選択し繁栄を築いています。しかしそれを軟弱として忌み嫌う過激派分子が「デス・ウォッチ」を名乗り不穏な動きを見せているのです。「古き善きマンダロア」再興を目指す彼らの理想。しかしその向かう先は・・・。

ヴィズラ一族」に「ダークセーバー」にと、後の展開を知る者にはアツいギミックが盛りだくさん。本話以降全3話に渡って「マンダロア編」と呼ぶべきストーリーが展開します。

【時系列】:『奪われたライトセーバー』>本作>『誘惑の航海』

第13話:『誘惑の航海』

【冒頭テーマ】:「未来を恐れるな、過去に涙を流すな」

【あらすじ】:オビ=ワンとアナキンは元老院に厳正中立の意思を表明するためコルサントへ赴くサティーン女公爵の護衛任務に就く。しかし移動中の船内には何者かによる恐ろしい罠が仕組まれていた・・・。

【感想】:「オビ=ワンに恋愛経験があった」という重要極まりないエピソードが扱われます。他作品ではその師匠クワイ=ガンにも恋愛経験があるとされ、アナキンの「禁断の恋」が必ずしも暗黒面へ至る道ではなかったことが明らかとなる回でもあります。

また、頑ななまでの平和主義を掲げるサティーンに対し、積極攻勢こそが平和を招くと力説する「ケノービ将軍」の姿に当時のジェダイの歪みが明らか。本来ならば争いに対する絶対平和主義はジェダイこそが取るべき立場だったはずであり、長い年月のうちに「銀河の守護者」から「共和国の守護者」となったジェダイたちが政治ベースの動きに巻き込まれたことでその本分を失っていったという流れが読み取れるでしょう。。

【時系列】:『デス・ウォッチの陰謀』>本作>『狙われた女公爵』

第14話:『狙われた女公爵』

【冒頭テーマ】:「真実こそは戦争の最初の犠牲者である」

【あらすじ】:元老院は「デス・ウォッチ」をマンダロア政府の手に追えぬ存在と断定し、軍事介入による鎮定を決議しようとする。共和国の内政干渉を防ぐため全力を尽くすサティーンは何者かに命を狙われ、果ては殺人の濡れ衣まで着せられてしまうのだった。

【感想】:「相手国内の反体制派援助」と「保護を名目とした軍事介入」。本エピソードでの共和国政府の行いは、小国を併呑する大国の侵略手段そのままと言えるでしょう。攻撃と支配を信条とするシスの導きのもとで、共和国は「名」の前に「実」の面で既に「帝国」へと変貌しているのがよくわかるエピソードです。

アナキンの妻パドメに劣らぬ積極的平和主義者の「元カノ」を守るため陰ながら奔走するオビ=ワンの姿がいじましい回でもあります。物語終幕、すべての陰謀が明らかとなったことで共和国による「マンダロア侵略」は見送られることになる。

のですが・・・。

【時系列】:『誘惑の航海』>本作>『デス・トラップ』

第15話:『議員暗殺』

【冒頭テーマ】:「真実を探すのはたやすいが受け入れるのは難しい」

【あらすじ】:戦争の外交的解決を目指すパドメたちは、更なる軍備拡大に繋がる「クローン増産計画」の決議阻止に成功する。

しかし勝利の祝杯とともに同志オナコンダ・ファーが謎の死を遂げた・・・。

【感想】:パドメの盟友オナコンダの怪死をめぐって「イヤミ刑事」も登場し、ミステリー風味の展開の物語となりますが、もちろん本筋は謎解きよりも元老院内の派閥関係の描写にあるでしょう。それにしても政敵バトーニからは「彼の失言のおかげで良い資金源になってくれた」と言われ、補佐官からまで「軟弱者」呼ばわりされることとなる「オーノおじさま」の政治的能力やいかに・・・。

事件のそもそものきっかけとなった「クローン増産計画」についてはシーズン3にてその詳細が語られます。ちなみにカミーノアンの「イヤミおばさん」ハリー・バトーニは『バッド・バッチ』にもチラリと登場。

【時系列】:『平和を求めて(S3)』>本作>『ダソミアの魔女(S3)』

第16話:『封鎖線を突破せよ』

【冒頭テーマ】:「賢明なリーダーは従う時を知っている」

【あらすじ】:資源豊かな惑星クリストフシスを包囲した分離主義艦隊を撃破するためオビ=ワン&アナキンが派遣される。しかし名高い敵将トレンチ提督率いる艦隊の守りは堅く、正攻法による撃破は絶望的だった・・・。

【感想】映画版『クローン・ウォーズ』の前日譚となるエピソード。映画版で展開されるクリストフシス地上戦とアソーカ参陣は本エピソードのあとに展開するもので、本シリーズ中もっとも古いエピソードということになります。いつもながら無鉄砲なアナキンと常識人ユラーレン提督のコンビが愉しく、見た目は不細工ながら態度はイケメンな名将トレンチとの対決が緊張感ある良アクション回です。

また、本エピソードに登場するステルス・シップとは船体を視覚及びレーダーから隠す「クローキング装置」を備えた船であり、古くはEP5でその存在が言及され、EP1のダース・モール艇〈シミター〉が有名。そして本エピソードに登場するのは〈IPV-2Cステルス・コルベット〉と言う船で、小説『ターキン』に登場するターキン艇〈キャリオン・スパイク〉のベースであるという愉しい設定があります。

【時系列】:本作>『内なる敵(S1)』

第17話:『七人の傭兵』

【冒頭テーマ】:「勇気は英雄を生むが、信頼は友情を築く」

【あらすじ】:惑星フェルーシアへの救援任務に向かうオビ=ワン、アナキン、アソーカたちだったが敵の猛攻に遭い地表への不時着を余儀なくされる。脱出用の船を求めて辿り着いた農村では農民たちがならず者たちに搾取されていた・・・。

【感想】:タイトルからも明らかなように『七人の侍』のオマージュ作品。「野武士」となるならず者集団は『囚人ドゥークー』以来の登場ホンドー・オナカー率いる海賊たち。農民たちは既に自衛のために四人の傭兵を雇っているのだが、大人数で攻め寄せる海賊集団には歯が立たないという状況。

ジェダイとして見過ごせないと憤慨するアソーカと任務遂行を優先すべきとするオビ=ワンの議論の果てに三人のジェダイも参戦することとなり、「七人の侍」が完成します。

【時系列】:『フォースの子供たち』>本作>『いにしえの巨獣』

第18話:『いにしえの巨獣』

【冒頭テーマ】:「楽な道ではなく、正しい道を選べ」

【あらすじ】:惑星マラステアの戦場で新型爆弾を用いて大勝利を収めた共和国。しかし爆発の衝撃によって太古の巨獣ジロ・ビーストが目覚めてしまう・・・。

【感想】:前回の『七人の侍』と同じく『ゴジラ』と『キングコング』へのオマージュ作品ですが、前作と比べてその重要性は無類と言えるでしょう。本作、そして後編となる次作は物語上の重要性とアクションの迫力を兼ね備えたシーズン屈指のエピソードと言っても過言ではありません。

「ゴジラ」&「キングコング」となるのはマラステアの古代獣ジロ・ビースト。討伐を主張する人々と自然に帰すことを主張する人々の議論の果てに、折衷案として弱点を突いて眠らせ別惑星へ移送する作戦が実行されますが、議長の横槍によってなんと首都コルサントへ運び、研究対象とすることとなってしまいます。ちなみに物語の発端となる新兵器「エレクトロ=プロトン爆弾」を投下したクローンの名は「ゴジ」。

【時系列】:『七人の傭兵』>本作>『コルサント炎上』

第19話:『コルサント炎上』

【冒頭テーマ】:「もっとも危険な獣は、内に潜む」

【あらすじ】:研究材料としてコルサントへ運ばれたジロ・ビーストが脱走し、街は大きな被害を被る。助命を訴える多くの声をよそに、最高議長は飽くまでその抹殺を命じるのだった・・・。

【感想】:野心のためなら他の生命など意に介さないシスの思惑によって罪なき巨獣が翻弄され、ジェダイも不本意ながらその抹殺に奔走することとなります。本話と好対照なのが『ボバ・フェット』シリーズ最終話に登場するグローグーでしょう。人間たちの争いに利用され暴走した巨獣ランコアを倒そうとする面々をよそに、グローグーはフォースを通じて呼びかけることで見事眠りにつかせることに成功します。

これがジェダイの本来あるべき姿と言えるでしょう。しかし公権力を握ることで政治ベースで野望を進めるシスの思惑を前に、「同じ土俵」に乗ってしまっているジェダイにはもはや為す術はなく、まんまと「シスの協力者」となってジロ・ビースト抹殺の片棒を担ぐその姿に当時のジェダイの限界が現われていると言えるでしょう。彼らは戦う前から既に負けているのです。

【時系列】:『いにしえの巨獣』>本作>『元老院のスパイ』

第20話:『デス・トラップ』

【冒頭テーマ】:「大切な事は父親の姿より父親との思い出である」

【あらすじ】:共和国艦〈エンデュアランス〉を見学する少年クローンの一行に見慣れない顔があった。彼こそかつてメイス・ウィンドゥに殺されたクローンのオリジナル、ジャンゴ・フェットの息子バであった・・・。

【感想】:スターウォーズ屈指の人気キャラ、ボバ・フェット幼き日の活躍が描かれます。彼はトルーパーたちと同じくジャンゴのクローンですが、成長促成も人格コントロールも受けていない純粋な複製であり、ジャンゴとは「父子」としての絆を育んでいたのです。

「父」を殺したメイスへの恨み骨髄のボバが父の同業者たちとともに復讐を試みるのが、本シーズンのラストを飾る三部作となります。オールドファンには嬉しいサービスも多々あるものの、もちろん純粋に物語として良作。未だ冷酷になり切れず、多くの葛藤を抱えるボバ少年の姿は後の彼を知る者には感慨深いものがあります。

【時系列】:『狙われた女公爵』>本作>『絆』

第21話:『絆』

【冒頭テーマ】:「逆境は真の友情をはかる試練である」

【あらすじ】:ボバによる破壊工作によって〈エンデュアランス〉は惑星ヴァンコアに不時着。消息を絶った艦長の救出に向かったメイスとアナキンだったが、そこにはまたもやボバの罠が待ち構えていた・・・。

【感想】:アナキンとメイスはボバの罠によって〈エンデュアランス〉に生き埋めとなってしまう。父の復讐のため、分離主義陣営からの報酬を得るため、メイスたちの「首実検」を目指すボバと賞金稼ぎたちの足音が迫る。

アナキンはR2に救援要請を託し、その命を預ける。ボバは未だ賞金稼ぎのドライな倫理観に染まることができず、「仲間たち」に対して鬱々とした気持ちを持て余す。アナキンとR2、ボバと賞金稼ぎたち、そしてボバと亡き父ジャンゴ。様々な形の「絆」が描かれる。

【時系列】:『デス・トラップ』>本作>『危険な追跡』

第22話:『危険な追跡』

【冒頭テーマ】:「復讐は苦痛をともなう告白である」

【あらすじ】:二度までもメイス暗殺に失敗したボバは最後の手段に打って出る。〈エンデュアランス〉で捕えた将官たちの身柄と引き換えにメイスの出頭を要求したのだ。無慈悲に殺されて行く将兵を前に、メイスの心は揺らぐ・・・。

【感想】:ついにメイスとボバの直接対決か! と期待させるものの、彼の負傷とボバへの刺激を慮り、対処に赴くのはプロ・クーンとアソーカの二人となります。ボバの復讐の行く末が最大の見どころですが、負けず劣らずのインパクトを放つのがボバのお目付け役オーラ・シング

EP1に一瞬出演し、ジェダイ崩れの賞金稼ぎという設定のみが知られていた彼女ですが、本作でホンドーの元恋人かつ危険極まりない女傑としての本分を発揮します。彼女がジェダイを迎え撃つ惑星フローラムはホンドーの根拠地ですが、海賊集団を束ねる豪傑さえ「元カノ」と関わるのを極力避けており、この件に関して絶対中立を宣言するほど。「在りし日」の彼らの関係を想像してみるのも一興でしょう。

【時系列】:『絆』>本作>『星を蝕むもの』

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