【私とサイトについて】〈スターウォーズへの愛情と戸惑い〉

こんにちは、ご訪問ありがとうございます。

本サイトでは映画作品に始まり、小説・コミック・アニメ・ドラマシリーズに至るまでスター・ウォーズ（以下SW）に関する様々な情報・考察を取り扱って行きたいと思っています。

「そんなものWookiepediaでも読めばいいじゃないか」と思われた方も多数おられるでしょうが、物好きにもあえて自分のサイトを立ち上げたのには以下の理由があるのです。

賛否両論の大作

言うまでもなくSWは世界中の人々に愛される作品ですが、一方で「SWはよく分からない」という声も耳にします。

実際私の周囲にSWが好きという人は皆無であり、かつて劇場公開作鑑賞中、劇場に響き渡る大あくびを聞いて鼻白む思いをしたこともあります。そう、SWは好き嫌い・賛否両論が激しく分かれる作品であることはどれほどSWを愛する方々でも同意してくださることではないでしょうか？

しかし自分なりの考察を続けるうち、それは当然のことであると思い定めるようになりました。なぜならSWという映画は、

• 観客をほったらかしにして平然としている

• 大人向けとも子供向けともつかない作品

だからです。

なんだかファンとも思えない言いぐさですが、以下でその理由を説明しましょう。

SWとクロサワ〈遠い昔、遥か彼方の世界で・・・〉

「SWは黒澤映画の影響を強く受けている」

というのは有名な話でしょう。例えばシリーズ第一作『新たなる希望』の冒頭は『隠し砦の三悪人』をなぞったものである、SWを象徴する有名なキャラクターオビ＝ワン・ケノービ役には当初三船敏郎がオファーされていた、これまたSWを象徴する存在である「ジェダイ」という言葉は「時代劇」が由来であるetc…数え上げれば様々なトリビアが湧き出してきますが、私が思うに黒澤映画がSWにもたらした最も大きな影響は「感動の普遍性」であると考えます。

「文化面では意味不明だったが物語や人物描写には強く惹かれた」

SWを生み出したジョージ・ルーカスは、かつて映画製作を学んでいた頃に衝撃を受けた黒澤映画についてこのように述懐しています。日本人の監督による、しかも多くは過去の日本を描いた時代劇である黒澤映画は、アメリカ人であるルーカスにとってはまさに「遠い昔、遥か彼方の世界」の物語体験だったことでしょう。

しかしルーカスはそこに人種や国籍や文化を超えた、「普遍的な魅力」を感じ取ったのでした。これは同じく彼に影響を与えた世界の神話や叙事詩にも通じます。まったく異なる生活様式や社会常識で生きる人々が独自につくり上げたはずの神話や古典文学に意外と似通った物語があるように、人々が感動し魅力を感じる要素は共通しているのではないでしょうか。

そこにSWが「観客をほったらかす」理由があります。なぜならSWとは「永遠の異文化映画」だからなのです。観客は男性であろうと女性であろうと、大人であろうと子どもであろうと、どのような人種や国籍や文化に属していようと、かつてルーカスが味わったような「異文化」への驚きと、そこに生きる人々が展開する物語への共感を味わうことになるのです。実際SWが特殊で不可思議なのはその世界観やガジェットのみであり、そこに生きる人々の性格や感情はまったく普遍的なのものです。つまりSWとは「特殊な世界で生きている普通の人々の物語」なのです。

とはいえ、初めて特殊な物語世界に放り込まれた観客たちは確実に戸惑わされます。ストーリーの展開を飲み込めていようがいまいがお構いなしに次から次へと進んでゆく物語、続々と登場するひと癖もふた癖もあるキャラクターたち・・・

これは誰？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これって何のこと？

いちいち立ち止まって頭の中を整理していてはあっというまに置き去りにされ、途方に暮れてしまうことでしょう。それに対処する方法はただ一つ、立ち止まらないことです。SWという映画はある意味ではジェットコースター・ムービーと言えるものなのです。まさにそれはSWの有名な一句、

考えるな、感じるんだ。

の一言に尽きるでしょう。

まず深いことは考えすぎず、とにかく物語の流れに身を任せてしまうのです。そして観終わった後に少しでも「楽しかった」「面白かった」と思えたなら、その内容や意味はあとからいくらでも反芻し、考え、語り合うことができます。なにせ誰もが見たこともない不可思議な世界を舞台にしていようとも、その物語の骨子は誰もが知っているものだからなのです。

ところが１９９９年以降、事態は少し変わってしまうのでした・・

『アンパンマン』から『ガンダム』へ〈SW世界の変容〉

１９７７年に第一作が公開されたSWシリーズ（トリロジー三部作）は、強力な力を持つ青年ルーク・スカイウォーカーの冒険を中心として銀河を支配する帝国軍とそれに立ち向かう反乱軍の戦いを物語り、その世界観はいたってシンプルなものです。主人公ルークたちが属す反乱軍は「正義」、悪役ダース・ベイダーが属す帝国軍は「悪」という具合に、どこまでも善悪二元論・勧善懲悪の世界が展開します。

ルーカスは「SWは少年のための映画である」とも語っています。どれほど深いテーマやメッセージを込めようともまずは子供たち、またはその心を持った人々のための物語として生み出されたSWは、子どもたち、もしくは子どもの心を忘れない大人たちを対象とした『アンパンマン』や『ドラえもん』のようなものだったと思えばイメージしやすいかもしれません。

しかし１９９９年以降公開されていったSWの過去を物語る新シリーズ（プリクエル三部作）で、SWは大きな変化を迎えます。ルークの父アナキンを主人公とするこれらの物語では、善悪で割り切ることのできない人間ドラマ・政治ドラマが展開することとなり、先ほどの日本アニメで例えるならば『機動戦士ガンダム』のような、決して「正義の味方と悪の組織の対決」ではない、善悪が混沌とした一元論・多元論的内容へと変化して行ったのでした。

これが多くの人々がSWに違和感を抱く元凶ではないでしょうか？

良くも悪くも勧善懲悪の「子ども向け作品」を志向して作られた従来のSWにおける神話・おとぎ話的語り口は、善悪で割り切れない「大人向け作品」に変容した新たなるSWにはもはやミスマッチなものとなったのです。もちろん「新三部作」の映像作品としての魅力は無類であるとはいえ、内容に関しては大幅に理解しづらいものになってしまったのです。

もはや「面白いと思ったなら内容は後からついてくる」とは言い難く、なんだかよくわからないままによくわからない物語が進んでいってしまう。重要な「点」はあるものの、それらを結ぶ「線」が不完全なために「面」として把握しづらく「立体」としての説得力が乏しいのです。

そんなSWの全体像のわかりにくさを解消してくれるカギは映画ノベライズ版作品や各種スピンオフ作品群にありました。実際「新三部作」に関しては映像作品でダイナミックな映像を楽しみ、ノベライズ版作品で事件の詳細や登場人物たちの心の機微を味わいうことで初めて物語の理解が可能になると言っても過言ではないと確信しています。

要するに私はここで映画・小説・コミック・アニメ・ドラマシリーズなど様々な媒体のSW作品を合体させて読み解いた私なりのSW像を問いかけてみたいのです。

SWという庭で

SWという物語は「大樹」である、と考えます。多岐に渡るスピンオフ作品群を通じて枝葉末節を味わうのも楽しいけれど、まずは最も大きく太い「幹」に寄り添って進んで行こうと思います。SWには主人公となる一族、スカイウォーカー家の数奇な運命を描くファミリーヒストリーと、彼らが属す銀河社会の変遷を描くワールドヒストリーとでも呼ぶべき二つの幹が互いに絡み合い影響し合いながら聳え立っています。

そして私はまた、SWを巨大な「庭」であるとも思っています。多くのインスピレーションに満ちた物語世界から多くのものを拾うことができ、また自分の持つインスピレーションを遊ばせることができる自由で広大な遊び場であると。だからこれから私が「SWを考察する！」などと息巻いたところで、その内容は詰まるところ私個人の独断と偏見にすぎません。だからこそこれを読んでくださる方があったなら、あなたの意見や考えも聞かせてほしいと思います。

こんなノリの私とサイトですが、ご興味を持たれた方はどうぞよろしくお願いします。

スター・ウォーズに触れるなら？

映画に留まらずアニメ、ドラマ、各種短編作品と、既に多くのコンテンツが存在するSWを効率よく存分に味わうにはSW全作品を網羅した公式配信サイトDisney＋への加入をお勧めいたします。

また、数あるSWスピンオフ書籍の多くは品薄・未邦訳作品が多く存在しており、新品や現物を入手することが大変困難になっております。特に未邦訳作品に触れたいとお思いの方はKindleなど電子書籍でお求め頂くのがもっともコストパフォーマンスに優れているためお勧めです。

追伸：サイト内の「ネタバレ」と「画像引用」について

SWはネタバレによって面白さを損なう作品ではないと思いつつも、基本的には回避しながらの記述に努めて参ります。なお、ネタバレに踏み込まねば話ができない内容の記事につきましては事前に通知をさせていただきますが、旧三部作におけるルークとベイダーの関係や新三部作における最高議長の行く末などあまりに有名と思われるものに関しては顧慮しないことといたします。

また、本サイトにおきまして作品の紹介や考察の際に各種作品の画像を転載させて頂く場合が多くあると思われます。著作権法上の「引用」の範囲に留まるよう努めてまいりますが、もしも権利者様において問題がございましたら速やかに対応致しますのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。

本サイト内の主な画像出典元

【wookiepedia】https://starwars.fandom.com/ja/wiki/

【スターウォーズ公式HP】https://starwars.disney.co.jp/